SST(ソーシャルスキルトレーニング)とは、人との関わり方やコミュニケーションの工夫を、遊びや会話を通して練習していく取り組みです。得意な部分を生かしながら、困りごとを一つずつ整理していく考え方で、学校や家庭など日常の場面でも少しずつ応用していけると考えられています。特別な訓練というより、その子に合った関わり方を一緒に探していくプロセスとして捉えていただけると安心です。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)とはどのようなものですか
SSTとは、人との関わり方やコミュニケーションのしかたを、遊びやロールプレイなどを通して具体的に練習していく取り組みのことです。友だち関係や集団生活の中で困りやすい場面を想定しながら、その子に合ったやり方を一緒に見つけていく関わりとして位置づけられています。
SSTは「ソーシャル・スキルズ・トレーニング」の略で、あいさつや気持ちの伝え方、相手の話の聞き方など、人と関わるうえで役立つスキルを、実際の場面に近い形で練習していく考え方です。
もともとは大人向けの心理療法の技法として発展してきましたが、2026年9月時点でも、子どもの発達支援の中で広く取り入れられています。UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)が開発したPEERS®もその一つで、思春期・青年期のお子さまを対象に、友だち関係の築き方を段階的に学ぶ内容です。
大切なのは、できていないことを直す訓練ではなく、その子がすでに持っている力を生かしながら、関わり方の引き出しを増やす機会として捉えることだと考えています。
事業所でのSSTはどのように行われているのでしょうか
SSTは集団の中でのやりとりを通して学ぶ場面と、個別に一つずつ丁寧に練習する場面を組み合わせて行われることが多いようです。学年や発達年齢に合わせてテーマを設定し、実際の会話に近い形でロールプレイを行う進め方もその一つです。
よくあるご相談の一例ですが、友だちとの会話のきっかけがつかめず、集団の中で一人で過ごす時間が多くなってしまうというお悩みがあります。こうした場合、まずは挨拶や話しかけ方など小さなステップから、ロールプレイを通して練習していくことがあります。
Cocoaでは、定員10名の中でお子さま2〜3名に対して職員1名以上が関わる体制をとりながら、集団での活動と個別の関わりを組み合わせています。学年や発達年齢に応じて、テーマを設定し、無理のないペースで進めていくことを大切にしています。
うまくいかない場面があっても、それは失敗ではなく、その子の今の状態を知る手がかりの一つとして捉えるようにしています。
家庭で無理なくできる関わり方のヒントはありますか
ご家庭では、特別な訓練をするというより、日常の会話の中で気持ちや状況を一緒に言葉にしていく関わりが役立つ場合が多いようです。うまくいった場面を具体的に振り返ることも、次につながるヒントになります。
- 友だちや先生とのやりとりを話してくれたときは、良し悪しの前に「そのときどう感じたか」を聞いてみる
- うまくいった場面は、「さっきの伝え方、分かりやすかったね」など具体的な行動として言葉にする
- うまくいかなかった場面も、責めずに「次はどうしてみようか」と一緒に考える
- 家庭でできたことがそのまま他の場面でも発揮されるとは限らないため、その子のペースで積み重ねる
SSTを進めるうえで大切にしたい視点は何でしょうか
SSTを進めるうえでは、スキルを身につけさせることを急ぐより、その子なりの理由や困りごとを理解することを優先する視点が大切だと考えられています。周囲の大人が焦らず関わることも、取り組みを続けていくうえで重要な要素です。
- 「できるようになったか」だけでなく、その子が安心して取り組めているかを大切にする
- 困った行動の背景には、その子なりの理由がある場合が多いという前提に立つ
- 学校や家庭で足並みをそろえようとしすぎず、まずは一つの場面で無理なく取り組めることを優先する
- 保護者ご自身が「うまく教えられているか」と自分を追い込みすぎないようにする
なお、SSTの進め方や内容はお子さまの状況によって異なります。気になる場合は、通っている事業所や自治体の発達相談窓口にご相談いただくことをおすすめします。
見学やご相談は随時受け付けております。気になることがあれば、お電話(011-826-3855/平日9:00〜18:00)やお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。