放課後等デイサービスを初めて利用しようと考えるとき、保護者の皆さんは「うちの子が対象なのか」「どんなことをする場所なのか」「手続きはどうするのか」といった不安と期待の両方を感じられるのではないでしょうか。このコラムでは、放課後等デイサービスの基礎的な情報から、事業所選びのポイント、そして利用開始後に家庭でできるサポートまで、保護者の皆さんの疑問に寄り添いながらお伝えします。札幌市でお子さまの発達や学校生活について相談したいと考えている保護者の皆さんへ、お役に立つ情報をお届けします。
放課後等デイサービスとは?児童発達支援との違い
放課後等デイサービスは、発達の特性や障害のあるお子さまが、学校の放課後や長期休暇中に利用できる福祉サービスです。対象は小学1年生から高校3年生までのお子さまで、発達障害、身体障害、知的障害、難病など、様々な特性をお持ちのお子さまが利用しています。
児童発達支援との大きな違いは対象年齢です。児童発達支援は就学前(主に0~6歳)のお子さまが対象で、療育的な支援に重点が置かれることが多いようです。一方、放課後等デイサービスは学齢期のお子さまが対象で、学校生活での困難さへの対応や、生活スキル、対人スキルの向上、また居場所としての機能を担うことが特徴です。同じ福祉サービスですが、お子さまの発達段階に応じた支援の形が異なると考えてよいでしょう。
利用にあたっては、お住まいの市区町村から「受給者証」という福祉サービスの利用を認める書類をもらう必要があります。詳しくは自治体の児童福祉課窓口や相談支援専門員にご確認ください。
受給者証の申請から利用開始までの流れ
多くの場合、受給者証の申請は以下の流れで進みます。まず、お住まいの市区町村の児童福祉課に相談します。札幌市でしたら各区の児童福祉課が窓口となります。相談支援専門員という福祉の専門家が、お子さまの状況をお伺いした上で、サービスの必要性を判断する書類を作成してくださいます。
その後、申請書類を市区町村に提出し、審査を経て受給者証が交付されるまでにはおおよそ2~4週間程度要する場合が多いようです。この間に、利用を希望する事業所の見学や面談を済ませておくことをお勧めします。受給者証が交付されたら、事業所と契約を結び、利用を開始する流れになります。詳しい手続きや所要時間はお住まいの市区町村によって異なりますので、早めに窓口にご相談いただくことが大切です。
事業所選びで大切にしたいポイント
放課後等デイサービスの質は事業所によって様々です。お子さまと保護者の皆さんに合った場所を見つけるために、見学時に確認しておくとよいポイントをご紹介します。
一つ目は、職員の配置と資格構成です。お子さま2~3名に対して職員1名以上の配置があるか、また支援者に心理職(臨床心理士や公認心理師)などの専門職が含まれているか確認するとよいでしょう。二つ目は、どのようなプログラムや活動を行っているかです。SST(ソーシャルスキルトレーニング)という対人関係やコミュニケーションスキルを学ぶプログラムを取り入れているか、運動や創作、学習支援など活動のバランスはどうか、お子さまの成長目標とマッチするかを見てみます。
三つ目は、学校や保護者との連携体制です。担当者と定期的に面談する機会があるか、学校の様子や家庭での状況を把握しようとしてくれるか、また保護者からの相談に応じる姿勢があるかが大切です。四つ目は、事業所の雰囲気です。見学時に、スタッフがお子さまにどのように接しているか、お子さまが安心できそうな空間か、など実際の様子を見て感じることが重要です。遠慮なく見学時に質問したり、体験利用があればそれを活用したりするとよいでしょう。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)と家庭での関わり方
SST、つまりソーシャルスキルトレーニングとは、コミュニケーション、友人関係、学校生活での困難さに対処するためのスキルを、ロールプレイや実践的な活動を通じて学ぶプログラムです。発達の特性があると、対人場面での「正解」が分かりにくく、経験だけでは対応方法を習得しにくい場合があります。SSTはそうした課題に対し、段階的で具体的な学習支援の方法と考えてよいでしょう。
Cocoaでは、UCLA発の実績のあるSSTプログラム「PEERS®」を活用した支援を行っています。家庭では、お子さまが困った状況に直面したとき、「なぜそうなったのか」を本人と一緒に考え、「次はどうしたらいいと思う?」と選択肢を示す関わりが効果的な場合が多いようです。否定や指摘ではなく、「一緒に考えてみようか」という姿勢を心がけることで、お子さま自身の気づきや工夫する力が育っていく傾向があります。
気持ちの切り替えやかんしゃくへの向き合い方
お子さまが学校での失敗や友人関係のトラブルから帰宅後も落ち込んでいたり、ちょっとしたことで感情的になったりすることは、保護者の皆さんにとってストレスになることもあるでしょう。しかし、こうした反応はお子さまが「困っている」というサインの場合が多いようです。
気持ちの切り替えが難しい理由は、その子の発達特性やその時々のストレスレベルに関係しており、本人の努力不足ではありません。家庭では、短い時間でもいいので、お子さまが気を散らせたり、リラックスできる時間を作ることが大切です。好きな活動、運動、好物の食事など、その子なりのストレス解消法を一緒に見つけることも支援の一つです。放課後等デイサービスでも同様に、ストレスマネジメント(自分の気持ちや心身の状態を整える方法)についての関わりを大切にしている事業所が多くあります。
不登校や学校生活の困りが大きいお子さまへ
「学校に行きたくない」「朝が辛い」といった訴えを聞くと、保護者の皆さんは大きな心配を抱くのではないでしょうか。放課後等デイサービスは、そうしたお子さまにとって「安心できる居場所」としての役割も担っています。札幌市内でも、不登校や学校生活に大きな課題を抱えるお子さまの利用が増えています。
家庭では、学校へ行かせることだけを目指すのではなく、お子さま自身の気持ちや困難さを理解しようとする姿勢が大切な場合が多いようです。「なぜそうなっているのか」を丁寧に聞き、本人の力で少しずつ変化していくのを見守ることが、長期的には信頼関係や対処スキルの育成につながると考えられています。放課後等デイサービスのスタッフと家庭の方向を合わせながら、お子さまに合ったペースで支援を進めていくことが大切です。
保護者のサポートときょうだい児のこと
放課後等デイサービスの利用を機に、「保護者自身も疲れていることに気づいた」というご相談をお聞きすることがあります。お子さまの特性に向き合い、学校との連携をしながら、家庭での対応を工夫し続けることは、とても大きなエネルギーを必要とします。それは決して保護者の皆さんの責任ではなく、支援を必要とするお子さまとご家族を社会全体で支えるというのが福祉サービスの理念です。
疲れたとき、判断に迷ったときは、相談支援専門員やサービス提供事業所のスタッフに遠慮なく相談しましょう。また、きょうだい児がいる場合、その子たちが感じている葛藤や疲労にも目を向けることが大切です。「兄姉(弟妹)のために我慢している」という状態が続くと、きょうだい児自身の心身に影響することがあります。放課後等デイサービスを利用する中で、保護者が少しでも心身の余裕を作ることが、結果としてご家族全体の安定につながると考えられています。
放課後等デイサービスの利用を迷われている、または現在利用中で疑問や相談がおありでしたら、お気軽にCocoaまでご連絡ください。臨床心理士や公認心理師の視点から、お子さまとご家族に寄り添ったご相談を承っています。
気になることやご質問があれば、見学も受け付けていますので、お電話(011-826-3855/平日9:00~18:00)またはお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。